家族の理解が得られない

ある日の相談者

じゅうmado宇部を開設して間もない頃、じゅうmado宇部に、ご連絡をいただいた奥様がいらっしゃいました。私は、まず「一番聞きたいことは何ですか?」とお尋ねすると、「どうすれば家を持てるのか?」とのこと。

あまりに、ざっくりとした質問に、最初は私も戸惑いました。どうすれば?とは、それなりにお金を払えば新築が建てられますけど・・。そんな答えを求めている訳ではないですよね。きっと。

何から、どうすればいいのか、さっぱり分からないということだろうと、私は感じました。意外とそういう方は多いのかもしれないと、その後多くの人とお話をするようになって、より強く感じるようになりました。家を建ててくれる建築会社を訪ねればいいとか、とりあえず、住宅展示場に行ってみたらいいとか思っても、一歩を踏み出せない感じ。何をどう質問したら良いのかも分からないのかもしれません。

この方は、最初にお電話でお話をした後、個別相談に来られたのですが、ご夫婦ではなく、お一人で来られました。住宅の相談には、ご夫婦や家族で来られる方が多いのですが、稀にお一人で話したいという方もいらっしゃいます。様々な事情があるので、その辺りもお話を聞いていきながら、問題の解決に取り組もうとします。

どうすれば良いのか?の質問には、家(建て物そのもの)のことと、お金のことを、まず分けて考えましょう。とお伝えします。

家のことであれば、どういう家が欲しいのか?
お金のことであれば、どのくらいの予算で家を建てるつもりなのか?

ここで、また、相談者の思考はストップします。
そもそも、どういう家がどのくらいの予算で建てられるのか?さっぱりわからないからです。

であれば、まずはお金の面から考えてみると良いでしょう。このWEBサイト内でも、幾度となく出てきますが、ライフプランの作成です。ライフプランを作る事で、お金のことが見えてきます。

>ライフプランの解説はこちら

お金のことが、見えてくるというのは、家にどのくらいお金をかけても良いか、が見えてくるということです。ただし、ここで大きな壁にぶち当たることもあります。

どうすれば、家が持てるのかを知りたかったのに、この予算で家を建てるのは難しいと言わざるを得ないことも出てくるからです。それでも、何もわからず、闇雲に建築会社を尋ねたり、住宅展示場を見て回ったりするよりは、意味のある一歩になるはずです。

この日の相談者には、ライフプランを作成してみましょう。ということで、一通りの説明を行いました。そして、一人で来られた奥様に、家計の話なので、ぜひご主人も一緒に来られてくださいね。とお伝えしました。この時、奥様は少し、難しい顔をされていました。なぜなら・・・

ご主人が、一緒に来てくれないのではないかという心配があるということでした。
実は、よくよくお話を聞いてみると、ご主人は、家を建てる、家を持つということを考えていないようで、家を持ちたいと思っているのは奥様だけだったよう。

それでも、大事なことですし、恐らく、このように一人で動かれても、家を建てることを、実現させるのは難しいと思うと伝え、頑張って説得してみてはいかがでしょう?と投げかけました。

しかし、残念ながら、ご主人にお会いすることは出来ませんでした。

奥様からは、「勝手なことも出来ない。諦めます。」と後日、連絡があったのです。その時、私自身はどうすることも出来なくて、「また、来れそうだったら来てくださいね。」とだけ、お伝えする結果になりました。

今でも、時々思い出します。奥様は、家を持ちたいという思い自体を諦めたのか。
相談窓口を利用するということを諦めたのか。その後、どうしているのだろう・・と。

窓口のアドバイザーとしては、役割を全く果たすことができずに、とても残念な結果になりました。

家族の理解がないケースは、いろんなパターンがあります。もちろん、今回のように、家を建てること自体に、乗り気じゃない(不安がある)というパートナーもいれば、親御さんによる反対がある場合もあれば、理想とする家に対する意見の食い違いもあります。

そういうケースの場合は、しばらく、平行線を辿り、そのうち相談に来られなくなる。

アドバイザーは、営業マンでもなんでもないので、相談者の主体性に任せており、いわゆる後追いのようなことはしておりません。そのため、その後どうしているのかなぁと思うこともよくあります。そして、家を持ちたい思いがあるのに、持つことができない。という状況になった時、家族の問題だしどうしようもないといえば、そうなのですが、なんだか力不足を感じてしまいます。

家族の理解がある無しは、様々なことに起こり得る。意見が合う合わないも含めて。だから、計画を立てること自体が、続くかどうかもわかりません。

でも、そんなことは気にせずに、「自分だけでも話を聞いてみたい。」「どういうところか、わかった上で、パートナーと一緒に相談に来たい。」そんな方も、ご遠慮なくご連絡くださいね。相談予約問い合せ

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