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前回、ゼロエネ(ZEH)、HEAT20 、低炭素、脱炭素(カーボンニュートラル)など、いろいろなワードに関連するお話として、省エネ住宅の「窓」について書きました。prev
そもそも、どうすれば、理想の住宅になるのか?の続きとして、ここでは、断熱についてお話します。
省エネ住宅に使われている断熱材・・
まずは、様々な断熱材についてお話しましょう。
断熱材ってどんなものか見たことありますか?
と簡単に聞いてみましたが、実は、断熱材にはたくさんの種類があります。
分かり易く解説するために、まずは原料による分類(種類分け)をして、説明しますね。
(大きく分類すると3種類)
- 無機繊維系(ガラスや岩などの鉱物を原料とした断熱材)
- 木質繊維系(鉱物ではなく、パルプやウッドチップなど、木が原料となる断熱材)
- 発泡プラスチック系(プラスチック原料を発泡させてつくられた断熱材)
ただし、分類の仕方に決まりはありませんので、1と2を合わせて、繊維系断熱材とまとめることもあります。そして、ここでは、解説しませんが、他に、羊毛などの天然素材の断熱材もあります。
ところで、省エネ住宅に欠かせない「断熱」ってそもそもどういうことなのか?
窓のお話を読んでいただいた方は、覚えているかもしれませんが、「熱伝導率」という言葉がありました。熱の伝わり易さ、あるいは、伝わりにくさを表す言葉です。
「断熱」というのは、「熱」を「断つ」と書かれていますね。つまり熱が伝わらないようにするということ。もちろん全く伝わらないようにすることは出来ないので、断熱材でも「熱伝導率」という数値が大事になってきます。
さらに、窓のお話で「空気層」のことも書きましたが、この「空気」が断熱効果に関係してくることがなんとなくお判りでしょうか?どれだけ、空気を含んでいるか(閉じ込めているか)が、断熱効果を発揮するのに重要なポイントになるわけです。
というわけで、断熱材は、様々な方法で空気を持たせるように作られています。
では、大きく分けた3種類をもう少しだけ詳しく解説していきます。
(1.無機繊維系)で住宅の断熱材としてよく使われる物
- グラスウール
- ロックウール
グラス=ガラス ・・ ガラスを細かい繊維状にしてつくられる断熱材。
ロック=岩 ・・ 玄武岩などの天然岩や高炉スラグを繊維状(岩綿)にしてつくられる断熱材。
(2.木質繊維系)で住宅断熱材としてよく使われる物
- セルロースファイバー
セルロースファイバー(セルローズと表記することも) ・・ 木材などから取り出した繊維(セルロース繊維)から出来ているパルプが原料となる断熱材。※古紙を利用。
(3.発砲プラスチック系)で住宅の断熱材としてよく使われる物
- ポリスチレンフォーム
- ウレタンフォーム
- フェノールフォーム
実際には、形成方法により、さらに細かく分類されますが、ここではプラスチック素材の表記にとどめます。いわゆるプラスチックにもいろいろ種類がありまして・・・これ以上は化学の世界になるので、解説はできませんが、断熱材に使われている、樹脂(プラスチック)の種類を上記に列記してみました。
そして、このプラスチック素材を断熱材にする工程で、しっかり気体を含むようにすることで、断熱材としての効果をより発揮します。
といっても、このような原料の話をされても、ピンとこないですよね?しかし、この原料や形成方法によって、それぞれ特徴が出てきますので、何を選んだらいいのか?を考える場合は、重要なことでもあります。
ちょっと話が長くなったので、今回はこの辺で・・全く結論に達していなくてごめんなさい。ちなみに、今回、アイキャッチ画像で使った写真は、断熱材が施工されている写真になりますが、せっかくなので、このことだけ、もう少し書いておきます。
写真の断熱材は、『硬質ウレタンフォーム(現場発泡)』という分類の断熱材です。
ウレタンフォームは、先ほど出てきましたね。プラスチック系の断熱材。
ウレタンフォームという言葉は知っている人も多いと思います。身近にあるのは、クッション材や、スポンジ材、「硬質」とついているので、その中でも「硬い分類のもの」ですね。
そして、現場発泡という名前。つまり、建築現場で発砲ウレタンの主剤と発泡剤を混ぜながら噴射し、基礎や壁、天井、屋根などに、吹き付けられることで、断熱材となっているのです。
同じ、硬質ウレタンフォームでも、予め板状に形成されている断熱材もあります。
その特徴や用いられ方は・・・ということで、話しは、まだまだ続くのです。
これからも、しっかり解説していきます。
無機繊維系断熱材の特質について、記事を更新しました。よろしければこちらもご覧くださいね。