住宅情報履歴を残す

家づくりノウハウ

「住宅履歴とは」という言葉で、インターネット検索をすると、「住宅履歴情報サービス」の案内が多く出てくると思います。これは、住宅情報の電子データを預かるサービスなのですが、何故このようなサービスが存在するのでしょうか。

日本の建物は、寿命が30年。ということを聞いたことある人が多くいると思いますが、日本では家を建てるなら、新築。新築を建てるために、古い住宅を壊してしまう傾向にあります。

建築主(買主)の気持ちを考えれば、これから住む家は、新しくてきれいな方が良いと考える気持ちはわかります。ただ、近年、長持ちするような性能の良い家を建てよう、という考えが、かなり広まってきており、住宅の価格はどんどん高くなっています。さらに、材料の高騰なども考えると、今後ますます価格は上がっていくのではないかと思うのです。

すると、どうでしょう。新築を建てること自体が、難しいと考える方々も増えてくるのではないでしょうか。まだ、住むことができる中古住宅を壊さずにリフォームをして住むことができるなら、これにより少しでも費用が安く済むなら、「私たちが住む後、何十年かの間、新築ではなく中古住宅に住もう。」と考えることもあると思います。

ここで、問題になってくるのが、住宅履歴です。この家がいつ建てられた、どのような建物であるか、その後、誰の手によって、リフォームや増築をされたのかが記録として残っていない。

中古住宅をリフォームして住みたいという要望は、多くあります。しかし、次に地震に対する不安や後何年住めるだろうか、という不安が、購入者には出てきて、迷うのです。

そのため、これからもし家を新築するという方は、住宅履歴を残しましょう。冒頭に書いた「住宅情報預かりサービス」を利用するかどうかは、また別の話ではありますが、建築した際の図面や、見積、写真などは保管されることをおすすめします。

ちなみに住宅情報預かりサービスは、有料にはなりますが、電子データとして、インターネット上に保管するサービスになっているため、無くしてしまったり劣化してしまったりする心配がない点では安心かもしれません。

サービスもいくつかあります。

  • あんしんいえかるて / ㈱住宅あんしん保証 
  • りれきJIO’s / ㈱日本住宅保証検査機構(JIO)
  • ハウスジーメン 履歴システムG / ㈱ハウスジーメン
  • 住宅履歴情報蓄積サービス / ハウスプラス住宅保証㈱

似たような名前で、区別がつきにくいですが、建築会社さんごとに利用しているサービスが決まっていることも多いので、あまり心配はされなくても良いかと思います。履歴サービスを利用したい場合は、ぜひ建築会社に尋ねてみてくださいね。

ちなみに、長期優良住宅認定を受ける場合、建物の維持保全に努めることが要件になっており、建築及び維持保全の状況に関する記録を保存する義務がありますので、お忘れなく。

そして、今のことだけでなく、将来のことを考えて、お子様に負の遺産として、建物を残すことがないように、価値ある家を維持し続けて欲しいと思います。

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