将来の生活まで考えて計画する~部屋の使い方~

家づくりノウハウ

前回、子供部屋は、4畳で本当にいいのだろうか?というお話をしました。将来子供が大きくなった時のことまで考えていますか?prev

今回は、その続きとして、部屋の使い方、過去に私が提案したことがある内容をお伝えしようと思います。

突然ですが・・・

私が過ごした子供のころの部屋は、特に子供部屋という概念はなかったように思います。小さな頃は、兄弟(兄・妹)で、一部屋で寝ておりました。この部屋は、居間(和室)の続き間の和室。

そもそも、祖父、祖母と同居してましたので、3世帯。母方の実家に一緒に住んでいたのです。そのため、部屋数が足りない状態でした。

続き間の和室は、8畳、昔の8畳ですから、それなりに広く、さらに、天井は高く、立派な欄間もついておりました(欄間ってわかりますかね?)

※和室イメージ写真

そこで、兄妹仲良く過ごしていましたが、次期に、居間(12畳)で、両親が寝るようになり、兄は、両親が寝ていた2階の部屋(洋室:7.5畳程度)に移動しました。私は、そのまま、続き間の和室で一人で寝ていました。

つまり、ベッドは置かず、布団で寝る毎日。毎日布団をたたんで押し入れに入れるという作業がありましたが、その分、空間としては、とても広く快適に過ごせたと思います。

和室で過ごしている間は、あまり自分の部屋という感じがなく、気持ち的には多少窮屈な部分もありましたが、兄が大学へ行くために、家を出た後、高校生になった私に、晴れて一人部屋が与えられたという感じです。

7.5畳程度ある部屋でしたので、友達が来ても十分にくつろげるし、その頃には、自分のお小遣いで、買い物を楽しむこともありましたし、自分のものが自分の部屋にあるのが当たり前でした

友人宅へ、遊びに行っても、何人か集まって、ワイワイやってもいいぐらいの感じだったように記憶しています。

しかし、今現在は、4畳~4畳半、私が過ごした部屋の半分くらいの広さ、時には、収納さえも、家族共有という感じで、部屋にないこともあります。確かに小学生ぐらいなら、特に気にならないかなと思いますが、高校生ともなると、体も大きくなりますし、自分の部屋で友達と過ごすこともできないし、自分の買ってきたものを、いちいち詮索されたくないし、かなり窮屈に感じるのではないでしょうか。

子供は、そのうち巣立つから、広い部屋はいらない。というのが、一つの考えにありますが、少なくとも、中学高校の6年間、場合によっては、その先も、家で過ごすこともあり得るでしょう。

高校生ともなると「寝るだけ」の部屋ではないはずです。

勉強したり、好きなことを楽しんだりする部屋でもあるでしょう。今は、リビング学習という言葉が当たり前になっていますが、何歳まで、リビング学習なのでしょうか?

親にとっても、子供の勉強を見てあげられるのは、せいぜい小学生までかもしれませんよね?中学に入るころには、子供自身がみずから進んで勉強をする、自分の部屋で快適に過ごせるようにする、そんなことも考えてみてはいかがでしょう。

これは、私自身の経験から考える1つの提案です。絶対にそうした方がいい。と言っているわけではありません。

この話のポイントは
・子供部屋という概念はない
・状況に応じて部屋の使い方を変える
ということ。

例えば、お子さん二人とご夫婦の4人家族の場合。
・4畳を2部屋をつくるのではなく、8畳、1部屋。
・ご夫婦の部屋が1部屋。
・リビングの続き間が1部屋。
を計画するとします。

8畳、1部屋にしておいて、将来子供が大きくなったら、壁を作って、分けると考える方もいるでしょう。その場合は、ドアを2つ、あらかじめつけておくケースが多いですね。

しかし、今回の場合は、そう考えずに・・

・子どもが小さいうちは、リビングの続き間で親子で寝起き。
・子供部屋で遊びたくなるころには、2人仲良く、8畳で過ごす。
・子どもが別々の部屋が欲しくなる頃には、ご夫婦の部屋を子供部屋の1つにする。

この場合、ご夫婦は?というと、リビングの続き間で寝起きするわけですね。
お仕事にもよると思いますが、昨今、共働きが多いという時代です。それこそ、ご夫婦にとっては、寝るだけの部屋になっている可能性も高いですよね。

これは、実際に私が過去に提案したことがある話です。

この時、リビングの続き間に和室が欲しい。というお考えのご夫婦でした。しかし、予算の関係から、家全体をもう少し小さくする方が良いということになり、一例としてお話をしたことです。

このご夫婦に限らずですが、和室付きのリビングプランを希望する方は多いです。理由は子供が小さいうちに、一緒に寝る部屋だったり、遊んだりする部屋。お母さんの目の届くところで、遊んで欲しいから。あるいは、お客様が来た時に使用するから。もしくは、旦那さんが寝転がりたいと言っているからということもありました。

子供が小さいうちに利用する場合、子供が大きくなると必要ありません。客間として利用する場合、いつどのくらいの頻度でお客様は来られるのでしょう?一人が寝転がるだけのスペースはどのくらいあれば良いのでしょう?

暮らし、家族の在り方、そして、成長と共に、過ごし方も変わっていく、家の計画をする際に、今だけでなく、ぜひ未来の家族の姿までも想像しながら、進めて欲しいのです。

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