省エネ住宅にしたい-断熱材のセルロースって?ー

家づくりノウハウ

前回、いくつか種類のある断熱材の中で、無機繊維系断熱材について書きました。prev

そもそも、どうすれば、理想の住宅になるのか?の続きとして、ご自身で断熱材を選ぶためにも、他の断熱材について、ぜひ知っておいて欲しいと思います。

省エネ住宅に使われている断熱材・・

まず断熱材を「無機繊維系・木質繊維系・発砲プラスチック系」に分けたことを思い出してください。

今回は、エコといえば・・コレ!セルロースファイバーについてお話していきたいと思います。

セルロースファイバーは、パルプなど木(天然繊維)で出来た断熱材であり、分類は「木質繊維系」であることは、前回までにお話し済みです。もしも、読んでいない方は、断熱材に関する最初のお話から読んでいただくことをおすすめします。

セルロースファイバーの断熱材は、古紙(新聞紙)をリサイクルして使っているということで、地球環境に優しく、人にも優しいと、よく言われます。これが、エコといえば・・コレ!と言われる理由です。

そして、その特徴をまとめると、

【セルロースファイバーの特質】

  1. 湿気を吸う(調湿効果がある)。
  2. 結露が発生しにくい
  3. 害虫予防ができる

まずは、湿気のお話から。いやいや、ここでは、断熱性能の話をしないと・・ということではありますが、断熱材の効果については、基本的考え方、材質そのものの熱伝導率と密度に関係があることは、前回お話した無機繊維系断熱材と同じです。

つまり、熱伝導率が小さいものがよく、密度が高いものが良い。

熱伝導率の点で言うと、セルロースファイバー55~60kg/m3 の場合で、0.040W/(m・K)です。グラスウールで示した値とそう違いがないということは、お分かりいただけるかと思います。

グラスウールの熱伝導率について、読んでいない方は下記も参考に。

ここでは、セルロースファイバーがおすすめされる理由と、選ばれる理由を説明したいので、その大きな特徴である、調湿効果のことを書こうと思います。

エコといえば・・、と冒頭で書きましたが、さらに、人体への影響、健康な住宅というキーワードで、紹介されることが多いのが、セルロースファイバーです。

セルロースファイバー自体は、パルプ(天然繊維)が原料であるため、グラスウールのような鉱物系の断熱材と違い、調湿効果があることで、カビの原因となる壁体内結露がしにくく、さらには、防虫効果があるので、健康被害がないというわけです。

防虫効果を発揮するのは、ホウ酸が配合されてるためです。ゴキブリなどに効くと言われている、ホウ酸団子・・聞いたことありますよね。(人体に影響が少ないことでも知られています。)

そして、このセルロースファイバーは施工方法にも特徴があります。現場吹き込み(ブローイング)という方法で、専門の業者が行います。つまり、誰もが施工できるわけではないということです。

専門業者が、正しい施工方法で、しっかりとセルロースファイバーが密になるように吹き込むため、現場ごとの差が出ることがないということです。

セルロースファイバーの現場写真は手持ちがないので、デコスファイバーの案内ページを見てみるとわかりやすいと思います。もちろん、その特徴なども書いてありますので興味があれば見てみてください。

また、無機繊維系断熱材のお話の時には、最後の方で、施工不良がないことが重要!ということを伝えました。この点が良く比較される点です。施工がいい加減だと、グラスウールやロックウールは、湿気を吸い、内部結露が発生し、断熱効果が劣化するだけでなく、家の木(構造)までも、腐らせてしまう。

しかし、セルロースファイバーを使えば、施工不良は起きにくく、家そのものも、そこに住む人も、長年健康で居られますよ。ということが、一番の特徴かと思います。

ただ、少し高いことが原因なのか、実際のところは、選ばれる断熱材としては、そこまで多くはありません。それでも、この健康!ということにこだわって、この断熱材を標準仕様としている、建築会社もあるぐらいですから、検討してみても良いと思います。逆に、この断熱材にこだわって建築業者さんを探される方もいらっしゃいます。いずれにしても、専門の業者がいますので、この断熱材をぜひ使いたい!とお願いすれば、建築会社さんは、対応してくれるはずです。相談予約

もうひとつ、デメリットという程では、無いかもしれませんが、最初に少し触れた断熱性能の点で、このブローイング工法では、密にできる限界、吹き込むことが出来る限界があるはずなので、前回お話した高性能グラスウールや、次回お話をする、発砲プラスチック系断熱材のように、その素材の特質を活かして、より断熱性能をよくすることが難しく、選択する程の種類がないということです。熱伝導率のより低いものを選びたいとなれば、他の断熱材を検討することになるでしょう。

ではでは、まだまだ続く省エネのお話。今後もぜひ読まれてくださいね。

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